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Interwiew to M° Giuseppe Sabbatini in Japan for directing L'elisir d'amore
From http://opera.jp.net/archives/359 【インタビュー】ジュゼッペ・サッバティーニ AUTHOR オペラ・エクスプレス DATE 2014年11月4日 COMMENTS: Leave a comment 【稽古場レポート】サントリーホール オペラ・アカデミー公演《愛の妙薬》を読む 【インタビュー】 ジュゼッペ・サバティーニ (サントリーホール オペラ・アカデミー エグゼクティブ・ファカルティ) 「サントリーホールのオペラ・アカデミーは93年の創設時から関わっているので思い入れが強いプロジェクトです。僕が指導するということで、オペラ・アリアなどが中心のマスター・クラスかと思うでしょうが、実際は発声技術とイタリア古典歌曲を中心にした一年目、トスティなどを教材に歌唱の解釈を学ぶ二年目と、基礎が中心の厳しいコースです。コントラバス奏者、そして歌手として自分が勉強をした経験から言えば、様々な指導法を体験する事はとても有意義なのです。プロの歌手として舞台に立つ前に、ベースとなるテクニックが無ければ表現は出来ません。オペラのレパートリーの約50%を占めるイタリア・オペラを歌う事を考えてイタリアの発声法、イタリア語で歌うことに特化した指導をしています。実はプロのオペラ歌手でも楽譜に書いてある事を歌えていない人が多いのですが、それは呼吸法、発声、クレッシェンド、ディミヌエンドなどのテクニックが完成されないままで舞台に立っているからなんです。」 「私は年に3回程来日して指導に当たっています。通年ではコーチング・ファカルティという指導チームがあり、天羽明惠、野田ヒロ子、櫻田亮、今尾滋、そしてピアニストの古藤田みゆきの各氏が教えています。それぞれがドイツ音楽、ロマン派、バロック、ヴェリズモなど違う分野を得意とするオペラ歌手であり、一流大学で教鞭をとっている指導者でもある。若い歌手達はここでの勉強を終えた後、自分がどのように個性を伸ばして行くかの素晴らしいお手本を目の前にしているのです。」 「感情を表現するには、感情に身を任せるのではなく、しっかりしたコントロールが必要です。同じメロディーが二度でてくる時に、一度目が自然を描写し、二度目は自分の感情を語っていたとしたら、それぞれに違う色彩を与えなくてはならないのは当然です。例えば《愛の妙薬》のネモリーノ。有名なアリア「人知れぬ涙」の一節目は『彼女の目にはひそかな涙が浮かんでいた』と始まります。それは愛するアディーナについての描写なんですね。そして同じメロディーを使って第二節では『たとえ一瞬でも、彼女の優しい心臓の鼓動を感じる事が出来たなら!』と、これは自分の願望を歌っています。ですからそのエモーションを表現するためには、一節目とは明らかに違う表現を準備しておかなくてはなりません」。 ―あなたのネモリーノ役は世界的に有名でした。このオペラを指導していると、役に戻りたくなりませんか? 「それはどうでしょうか(笑)。確かに教えている時に役柄の説明もしますから、そこは元オペラ歌手としての僕の出番となりますね。でも、優秀な皆の歌を聴いてもらいたい、というのが今の正直な気持ちです」。(ちなみに今回のネモリーノ役、中嶋克彦さんもとても魅力的です!) リハーサルの最後にサッバティーニさんが合唱に参加する彼の生徒たちに言っていた言葉が印象的でした。 「君たちは今回、合唱で舞台に立つ。合唱とは、お互いを聴きあう音楽的なインテリジェンスを持っているソリストの事だ。登場人物一人一人が人格を持っているとお客さんが理解してくれるように演じなさい。それが舞台を本物にする」。
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